母、イノシシに襲われる
いやーーーーー
ぶったまげました。
先日、新燃岳のようすを聞こうと鹿児島の実家の母に電話したときのこと。
母「あのね、昨日すごい珍事件があったの。
職場の駐車場でね、イノシシに襲われたの」
私「え!!誰が!?」
母「お母さんよ」
私「なんですとーーーーーーーーーー!!!!!」
事件の顛末。
母は上川内にある短大の寮の食堂に勤めています。
お昼の仕事がおわって帰ろうとしたとき。
出入りの業者さんが「さっき駐車場にイノシシがおったよ」と声をかけました。
好奇心の強い母と同僚の2人は、「えー?まだいるのかな」と興味津津で駐車場に出ました。
ドアを開けた瞬間。
すぐそばにいたイノシシと目が合ってしまったのです。
あわてた母たちはすぐに中に戻ろうとしたのですが、同僚の方が誤って自分が入った時点でドアをしめてしまい、外に母だけが取り残されました。
ドアを開けようとあたふたしている母にイノシシが突進。
母のお尻に4回もどついてきたそうです。
「助けてー!!!!!!」
母の悲鳴は構内中に響き渡ったとか。
直後、2頭の猟犬が駆けてきてイノシシにかみつきました。
イノシシと猟犬は取っ組み合いのケンカを数分繰り広げ、ついにイノシシが降参。
そこへに数人の猟師がやってきました。
おびえる母の目の前で、猟銃を「ドン!」
イノシシは血の海の中で息絶えたそうです。
幸いにも母は軽傷でした。
お尻にキバの引っかき傷と打撲痕が数か所。
ただ、精神的なショックが大きかったようで、心療内科のカウンセリングをうけ、
軽い内服薬を処方してもらい、しばらく仕事も休むように言われました。
そりゃそうですよね。
ものすごい恐怖だったと思います。
なぜ、母はイノシシに襲われたのか。
イノシシはとても臆病な動物。
自分から人の目につくような場所に出ることはまずありません。
それでも今回、見晴らしのいい駐車場に自分から出てきた理由は、
「追われていてパニック状態だったから」
ということのようでした。
そのイノシシは、母の前に現れる前に10km以上も山の中を猟師集団に追われていたそうです。
しかしその猟師の人たちは伊集院に住んでいる人だったためか、土地勘がなかったようです。
猟師としてはあるまじき失態をしてしまいました。
人里に向かってイノシシを追ってしまったのです。
母の診療費は猟師さんたちが自分たちの保険で支払ったそうですが、
今回の事件を厳しく反省して、二度とこういうことが起こらないようにしてほしいです。
わな猟をメインしてもらうことはできないのでしょうか。
そのほうが危険も少なく、効率もいいと思うのですが。
イノシシをはじめとする獣害で中山間地の農家はとても苦しんでいます。
猟師さんのがんばりはとても大事。
だからこそ、みんなに歓迎される活躍をしてほしい。
母には、亡くなったイノシシの供養を提案しました。
少しは気が休まると思ったから。
母「そういえばあのイノシシもかわいそうだったねえ。イノシシは何が好物なのかな?」
私「米ぬかとか、お米かなあ(本当は何でも好きだけど)」
母「そうなんだ。じゃあお米と塩と焼酎でお清めしてこようかね」
翌日、襲われた張本人の母が事件現場で手を合わせて供養している姿を見て、大学の職員の人が驚いていたそうです。
もともと動物好きの母。優しい心に私も感動しました。
母「なんだか私の心も少し軽くなったみたい。不思議やねえ」
あとは一日も早く、心身ともに回復してくれることを祈るのみです。
人里近くに増えすぎた山の動物たち。
今踏ん張って、人間のパワーで山に押し返すことが、末永く共存する道だと思います、。
私も微力ながらがんばります。
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