なぜ殺さないといけないか(口蹄疫)
口蹄疫の話題が出るとき、「なんでかかったら殺さんといかんの?」と聞かれることがよくあります。
口蹄疫は大人の動物が感染しても、死ぬことはありません。
(抵抗力の弱い子どもは死んでしまいますが)
体内に抗体ができると、自然治癒する病気。
人間でいうと、ひどいインフルエンザ、というイメージでしょうか。
じゃあなぜ殺すのか。
私も素人のひとりなのですが、知る限りの理由をまとめると以下のようになります。
・感染力が非常に強い
・発症している間、著しく生産性が低下する
(食欲低下、乳量低下、増体量低下、繁殖障害などなど)
・小型のウイルスで非常に変異しやすく、1つの型のウイルスで抗体ができても、また別の型のウイルスで発症することがある(これは、ワクチンの有効性が疑問視される理由のひとつ)
・治療法がない(自然治癒を待つしかない)
おそらく、感染してなにもせずにおくと、体力のある動物は治癒すると思います。
でも、それまでの間にウイルスが大量に拡散し、農場全体や近隣の農場にウイルスがまんえん。
たとえば酪農なら、乳量が激減して経営にダメージを与えると思います。
しかも治っても、新たに変異したウイルスに感染すれば、また同じことの繰り返し。
(変異したウイルスは、変異前と症状が異なることがあり、初発の発見が遅れる
こともあるそうです)
放っておけば、全国の畜産農家の経営は破たん。
感染力&変異力。
この2つが、このウイルスが凶悪で、全排除する最大の理由だと思います。
本当にいたたまれないことだけれども、宮崎の畜産農家の皆さんは、他の地域に同じ思いをさせないために、断腸の思いで家畜を処分し、必死で防疫をしている。
私も無菌主義より、菌をもって菌を制す思想のほうが好きですが、今回ばかりは、そんな甘いことは言ってられないと、思っています。
それにしても、多頭経営の畜産農家がせまい地域に密集することが、どれほど危険かということも思い知りました。
その意味では、畜産大国の鹿児島も、相当のリスクをしょっていることになるかと……。
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コメント
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お〜〜、そういう事だったんですね旦那となんでだろう〜って話をしていたんです.
うちのちびさん4ヶ月半です.でかいです.もうすぐ8kg
重いです.(汗
投稿: rouis | 2010/05/26 17:05
自分で調べてみようと思いますが、
記事にして下さった情報を踏まえて
今回のような事例では
はじめの一頭が感染する経緯って
なにが起こっているのでしょうか?
やっぱりウィルス自体は自然界に潜んでいるのかな、でもそれじゃ強い感染力でもってもっと簡単に頻繁に今回みたいな事件が起こりそうだな、、
と思いました.
いたたまれない思いでニュースを見ています.
投稿: gami | 2010/05/26 18:21
rouisちゃんへ
見てくれてありがとうね。
まだ、書ききれてない理由がいろいろあるです。
おちびさんに会いにいきたいなーーーーー
gamiくん
ひさしぶり!コメントありがとう。
今回の発生源についてはまだ不明らしいのだけど、自然界からというよりは、アジアの近隣諸国のどこからかやってきた可能性が高いみたいです。
韓国、香港など、アジアの各地で口蹄疫は今発生中。中国もワクチン使ってるからウイルスはいるだろうし。
輸入のエサについていたか、人の体や靴底についていたか……。
いずれにせよ、日本の他の地域でいつ起こってもおかしくないんだよね。
投稿: まっきゅー | 2010/05/27 01:02