私はおよそ国際ボランティアというものに関心のない人間です。
偏見のカタマリですから、「先進国の論理の押し付けだ」とか「自己満足のためだ」とか自分勝手な違和感持ってて近寄りたくないくらいなのです。
いやあ、視野の狭い人間ですね。書いててヤになってしまう。
そんな私にしては珍しく、今日は表記のイベントに足を運びました。
友人が出展していたのと、右手のホワイトバンドが私をにらんでいたのが動機。
グローバルフェスタは元の名を「国際協力フェスティバル」というそうです。今年から名称がリニューアル。
国際援助・開発などに携わる全国のNGO、NPO等が大集合して、広く一般の人にその活動をアピールする祭典、といった感じでしょうか。
援助国にまつわるグッズや屋台もでていて、にぎやかなお祭りといった雰囲気でした。
昨日はじめてその存在を知ったほどですので当日感じたうわっつらしか書けませんが、私なりの感想をお届けします。
ボランティアアレルギーを引きずりつつ、何を探すでもなく鬱々ぶらーり歩いてましたら、積極的なボランティアの人たちの博愛主義によってたくさん声をかけていただきました。ありがたいことです。
印象に残ったのがこの4つ。
グリーンピースジャパン
日本砂漠緑化実践協会
アジア学院
国際炭焼き協力会
グリーンピースジャパンは、グローバルな環境問題、核問題の解決を目的に活動している有名なNPO。
日本では現在、沖縄県名護市辺野古沖の(=基地移設反対運動)に力を入れているようです。そういえば、ずっと忘れていました、この問題。
彼らの論理は、辺野古沖のジュゴンを守らなければならない、基地をなくして平和を守らなければならない、というもののようです。
署名を求められましたが、迷ってしまいできませんでした。
ジュゴンはともかく、基地を拒否した後に、その代わりとしてどのように責任をもてるのか自信がなかったから…
日本砂漠緑化実践協会では、中国各地の砂漠地帯において、地元の人と協力しながら砂漠にポプラ等を植樹して砂漠化を止める活動をしているそうです。
単なる薪のような葉も根もないポプラの挿し木が、たった5年でちょっとしたブッシュになっている写真を見て驚き。
なんたる生命力でしょう。ポプラのブッシュは風による砂の大移動を食い止めます(砂漠化が拡大する原因には、風によって砂漠でないところが砂漠に飲み込まれていくことにあるのだそうです)。
砂が動かなくなると草の種が芽を出し、それから植物や動物や人までも戻ってくる。
この手法を編み出したのは日本人の故・遠山正瑛(とおやませいえい)氏。砂地農業の専門家です。プロジェクトxで見た人もいるでしょうか。私は知りませんでした。
こうした知恵・技術の転回は素晴らしいと感心!地元の人によって活動が拡大しているところを見ても、非常に意義ある活動だと思いました。
アジア学院。ここが私の友人が働いているところ。
バイリンガルでダンサーである彼女は、今日も全身を使って楽しく来場者と対話してました。
大学時代、有機農業のゼミにここの職員の方が通ってきていたので、なんとなくは知っていました。
アジア各国の農村指導者を集めて、農業技術をはじめとする農村リーダー養成の研修を行なっています。
有機農業による自給、農産加工にとりくんでいるところも特徴。
手作りのルバーブジャムとモロヘイヤクッキーはとってもぐーでした。
最近、「ソトコト」はじめさまざまな雑誌に紹介され、問い合わせが多いんですって。
日本人もお金を払って自主的に研修を受けに来るそうです。
今日も日本人の研修生とはなしましたが、爽やかで優しい、どちらかというと線の細い若者でした。
研修を受けた後は、農村リーダーとして世界各地に飛び込んでいくのよ、何たる勇気。
まったく私とパラダイムが違うんだろうな…心の中で敬礼。
国際炭焼き協力会。
「炭焼き」技術と活用法の普及を軸に開発援助を行なうとっても個性的な団体。
しかし本日はココナッツハニーを販売しておられました。
そちらが忙しいためかなんの資料ももらえず、HP探すのにちょっと苦労しましたわ。
炭の利用は全世界であるようですが、炭や副産物の木酢液を農業に利用する文化は日本のみなのだそうです。
これは目からウロコです。
ココナッツハニーの売り子をされていた方に「なぜ"炭”で援助を?」とたずねてみました。
もともとバイオマスや国際援助に関心があったそうですが、アジアには豊富な森林があることと、農業の生産性が低い地域が多いことに目をつけ、炭なら特別な工場なく生産できるし、環境も汚さず有用なエネルギーになる。
しかも炭は地力の向上にも効果が高いから、地域の農業生産力を伸ばすこともできる!というふうに結びついたのだとか。
炭焼きはまったくのシロウトだったそうです。
これまた頭が上がらないわ。
売り子で資金稼ぎもいいけど、もっと活動の中身を多くの人に紹介されたらよかったのになあ、と思いました。
グローバルフェスタ、今年のテーマは”「知る」から「行動する」へ”。
私は完全に「知る」で終わってしまいました。
でもこうした開発援助に関わることは、一定以上現地の事情を知ることなしには行動すべきではないと考えているので、まずは今日はよい「知る」になりました。
え?ボランティアアレルギーはどうなったかって?
そんな簡単になくなりはしませんよ。
私なりの克服の手段としては、もっともっと知ることですかね。
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