おいしいミカン産地の不思議な共通点
私はミカンが好きです。
冬から春までの間、毎日ミカンを食べずには一日がおわりません。
冬のおやつであり、水分であり、ビタミンでもある。
風呂上がりの冷えたミカンのおいしいことっていったらもう!
年明けからはデコポン、イヨカン、ポンカン、はるみなどなど中晩柑ラッシュに心おどる日々!
No みかん. No Life.
半分本気でミカン農家になりたい今日この頃。
とまあ、そんなミカン好きの私が、今年の初めに「農家の台所」銀座店に行った時のこと。
ちなみに「農家の台所」は、最近ちょっと有名な国立ファームの直営レストラン。
個々の農家をアイドル張りにアピールし、野菜は珍しい品種にこだわるなど、農のおもしろさを前面に出した店づくりをしています。
お店のナイスミドルなお兄さんが、あたらしいミカン「はるか」を試食させてくれました。
レモンのような黄色い皮で、一見すっぱそう。
でも食べてみると、甘くてみずみずしくて、さわやかな香り!おいしい!!!
感動してお兄さんと話がはずみました。
そのお兄さんは、柑橘についてやたらと詳しく、あまり有名でない産地とか、温州ミカンの細かい品種のこともよく知っていました。
聞くと、お兄さんはもともと東京の青果市場のバイヤーで、果物を担当していたというのです。
しかも「柑橘はとくに好きなんですよね。いろんな産地を歩きました」というではありませんか。
どうりで詳しいわけだ。お友達になりたい!!
このお兄さんから、不思議な話を聞きました。
「ミカンの産地はほとんどが海っぺりの傾斜地にあるんですけど、ここはおいしい、って思う産地は畑の”西側”が海になっているところなんですよね」
つまり、夕日の沈む海に面しているミカン畑では、とくにおいしいミカンがとれるということ。
そういえば、歴史の長いミカンの産地は、西側が海になってる。
和歌山県の有田、田辺。愛媛県の八幡浜、宇和島、伊予。
熊本の河内、長崎もそう。
もちろん、西側でない有名産地もあるけど(静岡の三ケ日とか、神奈川の湯河原とか)。
何より、このイケてる元バイヤーさんがお気に入りの産地がサンセットビーチばかりというのは、大いに気になります。
和歌山県田辺産のポンカン
そんな話を、好奇心旺盛な職場のI先輩と話してみました。
まっきゅー「先輩どう思います?この話。どうして西側なんでしょう」
I先輩「へえ、おもしろいねえ。やっぱ海水なんじゃない?」
ま「は?」
I「風って西から東に吹くことが多いじゃない。偏西風ってやつ。海水混じりの潮風があたって、ミネラルいっぱいのおいしいミカンになるんじゃないかな」
ま「ふふ~ん。そういうことかなあ」
結局真相はまだよくわかりません。
ネットでも調べてみましたが、こういう視点で産地の分析をしている研究は見あたらないんですよね。
でも、なんだかロマンを感じてわくわくしました。
西側といえば、かくれた柑橘の名産地、鹿児島県の出水市も、西側が海ですね。
なかでも針原地区のミカンはおいしいと名高いそうですが、グーグルマップで見てみると、まさに目の前が海。
出水のミカンは本当においしい。
まだ全国的には有名じゃないけれど、出水の特徴はすごくたくさんの品種が生産されていること。
温州みかん各種はもちろん、不知火(デコポン)、スイートスプリング、ポンカン、せとか、はるみ、はやか、ボンタン、晩白柚……他ではあまり聞かない品種もけっこうあります。
で、どれもうまい!
出水産のミカン、いまのところ外れたことがないです。
スイートスプリングはとくにおいしいと思います。あと温州もスーパーのよりみずみずしくてうまい。
うちの両親は「特産館いずみ」が大好きで、冬は月に2~3回も通うほど。
ここは並んでいる柑橘のほぼすべてを試食できるところがいい。
でも、どれもそん色ないくらい、おいしいです。
お惣菜も充実。ここの卵屋さんのサンドイッチと卵焼きが超うまいのでおすすめ。
そろそろ柑橘シーズンは終盤ですが、ハッサク、清見、甘夏、はるみなどなど、晩柑類はまだまだ目白押し。
まだまだ柑橘たのしむぞお~!
あなたもレッツみかん!
追記:コメント欄で後輩のgamiくんがかなりおもしろい追加展開をしてくれています。
必見です!私より数段深い考察です。
最近のコメント